• 蘭姐麗(らんじぇりー)

失敗しない女性向け風俗店の探し方③~日常に帰れなくなった私~

最終更新: 2019年3月26日



2019/3/25

■出会いも別れもすべて日常のこと

出会いがあれば必ずやってくる別れ。

日常と非日常世界の扉を行き来するのも切り替えが出来ているうちは良かった。

段々と私の感覚は麻痺していった。キャストを好きになってしまったからだ。


最初は大好きなキャストに逢うのが楽しみで仕方なかった。

日常と非日常世界の折り合いがつけられずに、色々と支障をきたしていた。


毎日真面目に行っていた仕事にも身が入らなくなり、彼に逢う為のシフトのやりくり、

休む為のシナリオばかり考えていたのだった。1ヶ月に1度のうちは良かった。2度3度と

なってくると何かを犠牲にしなければならなくて、時間、お金、仕事、家族との時間・・・なんだか滅茶苦茶になっていった。


■休みの口実とシナリオ

「チーフ、この日病院に行きたいので、お休みしたいです。」


「この日は吉田さんも、松井さんも休みたいと言っててねえ・・・」


「ダメですか?ダメなら、午前だけでも出ます。だから午後は・・・」


「それも困るね。これで急に休む人もいたら回らないでしょ。」


「応援頼めないですか?なんとか・・・。」


どうしても休みたかった。

いつも早出や残業を頼まれれば、進んで協力しているのだから少しは融通利かせてくれるだろう、言い切れば何とかなるだろうと思っていた。


「他の日にしてもらえないかな、そこは3人も休まれるとね。」


チーフが面倒そうに答えた。

吉田さん松井さんと比べてはいけないのだけど、彼女達は実際何かと理由をつけていつも休みがちだった。


確かに私の口実、病院というのは嘘だ。いつか吉田さんが実はアイドルのライブに行くために休んだとか後日平然と公言していたり、松井さんだって、よその事業所のスタッフと不倫していて、休みを合わせているとかいうのは皆知っている。吉田さんと松井さんの身代わりに何度もなっている私は面白くなかった。チーフも知っているのに見て見ぬフリをしていた。面倒くさいんだろうし、嫌われたくないのだ。


さらにあの二人には旦那もいて同じ生活の為に働いていても、私とは感覚が違うのだろうし・・・と何か違うところにまで怒りの矛先が向かい、感情をコントロール出来なくなっていた。


「吉田さん松井さんばっかり、休んでどうぞって・・・納得が・・・。」


「君はさあ、稼ぎたいんでしょう?だから早出も残業もしてるんでしょう?」


「私だって休みたい時もありますよ。早出も残業も誰かが休まなきゃしませんよ。」


「じゃあ・・・応援頼むしかないね。うちは応援頼みすぎって言われるんだよ。」


ぶつくさ言いながら、チーフは応援要請の電話をしていた。もっと上手な頼み方があったかもしれなかったが、あなたは稼ぎたいんでしょう・・・ってそれは間違いない。応援頼みすぎというのは、吉田さん松井さんにも言うべきなのに、なんで私だけが聞かねばならないのか。一気に都合の悪く面倒な女になった私の扱いはこんなもんなのだ。


仕事へのモチベーションも切れて馬鹿馬鹿しくなった。早出も残業も、少しでも生活の足しになれば・・・というのは私の勝手な言い訳であり、本当はいつかの休みの融通の為、他者へのいい顔というのが本当の理由だったのかもしれない。”いい人”ぶるのも”お人好し”

必要のないのに。




■日常に帰れなくなって・・・

休みは確保出来たものの後味の悪さを感じながら、いつもの約束の場所へと向かった。

こんな事までして行く自分の行動に嫌気がさしていた。周りも見えなくなるほど、自分の主張や感情を露わにしてしまうなんて・・・なんだかとても怖くなった。


いつものように彼と逢っても、とても遠くにいるように感じた。会話も少なく、とにかく

全てがぎこちなかった。渡したお金もテーブルに広げられたままなのが気になった。彼の胸に飛び込んでも彼の胸は冷たい壁のようだし、くちびるを合わせてもいつものように溶け合わなかった。


「ちょっとこっちへ来て話そうか。」


彼はそう言って私から離れた。私はそのまま布団にくるまって背を向けていた。何を言われるか想像できていた。そのうち涙が出てきたので見られたくなかった。


「こんなペースで来て生活大丈夫なの?お金、子供の事とか、仕事とか・・・。」


「大丈夫だから逢いに来てるの。」


「普通に考えたら無理だろう・・・。」


「もういいよ、今日は先に帰って・・・。私は少し寝てから帰る。」


大丈夫ではなかったけれど、認めたくなかった。

ここへ来て楽しく過ごして、明日にはまた普通に職場に行こう

と気持ちを切り替えるつもりだった。



「じゃあ支度して先に帰るよ。」

彼は浴室に向かった。どんな表情だったのだろう。私はふとんに潜ったまま泣いていた。

ひどく疲れてしまい返事もせずに、そのまま眠ってしまった。



1時間位して、ベッドサイドでタイマーの音が鳴って飛び起きた。もう彼はいなかった。

タイマーを仕掛けて行ってくれたのか・・・。



鏡に映った自分の顔は酷かった。泣いて化粧もグチャグチャで、ちょっと洗ったくらいじゃ

どうにもならない感じだった。このまま家に帰ったらまずい・・・。



シャワーを浴びようとして立ち上がると、テーブルの上には今日の代金とホテル代が置いてあり、破ったメモ帳に何か書いてあった。




俺も日常に帰れなくなりそうだった。だからこの仕事を最後にする。


この演出はすべて彼の優しい嘘だったかもしれないとも思えた。

私も彼を困らせていた事、悩ませた事を反省したい。


この日から現在は、だいぶ時間は経っているけれど、私の恋は相変わらず

盲目であるし、お人好しぶりも相変わらず。この間もまた失敗してしまった

ばかりだ。



つづく

~恋多き女☆らんじぇりー~







































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